EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「これ見てさ、トイレのカメラは取り外そうかなって真面目に考えたよ」
「やめてくれ。マドモアゼルの周期がわからなくなる」
「ハァ……君って……」
(トイレ!?それに私の周期って…もしかしなくても…)
生理のことだろう。
「こんなことしてるからストーカーとか言われてフラれちゃうんだよ」
「ストーカーなんて…言われたことない」
「本当に?それは奇跡だね」
ストーカーと罵られたことはないが、フラれた原因には確かにこれも含まれる。
元恋人達の場合、小鳥のように一緒に住んでいないからカメラなんかに頼れない。
根掘り葉掘り予定や行動を聞き出すのに苦労した末に、しつこいウザイと言われることが多かった。
しかも付き合ってきた女性は皆、自立した年上の大人だったため、彼女達には余計フェオドールの独占欲が鬱陶しく感じられたようだ。
小鳥のように守ってあげなくても一人で生きていける闇人の恋人達。
フェオドールは自分のマネージャー、ミロスラフに言われた言葉を思い出した。
――へー。人間にしたんだー。ま、フェオにはお似合いかもね
小鳥をフィアンセだと紹介した時の会話に今更納得する。
「確かに……俺には小鳥が丁度いいのかもしれないな」
「は?何一人で悟っちゃってるの?小鳥にだって君の愛情は重過ぎるでしょ」
白魔の指摘にズキリとフェオドールの心が痛んだ瞬間だった。