EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
どうせならヌードも曝してしまえ。
オーレリアンの目はそう言っていた。
「てかさ、よく考えたら初めてじゃない?兄弟全員で風呂入るの」
ルカの発言に誰もが頷く中、代表して静理が肯定を言葉にする。
「そうだね。言われてみれば、そうかもしれない」
「……マドモアゼルがいなかったら、一生有り得なかったことじゃないか?」
「確かにね。凄いな、僕のプリマドンナは」
フェオドールの横で肩まで浸かっている小鳥に手を伸ばし「おいでおいで」をする白魔。
ピクッと反応した小鳥がモジモジしつつ向かおうとした瞬間。
「行くな」
フェオドールが小鳥の腰を両手で掴み、引き留めた。
「俺から離れないで。いつ薬の効果が切れるかわからないから」
「くすり…?」
首を傾げる小鳥は意味がわかっていない様子。
代わりに慌て出したのはルカだった。
「こ、こんなとこで戻ったらヤバくない!?」
「慌てんなって。そん時は全力で後ろ向いてていいぞ。小動物のことは俺がなんとかする」
カロンに「それは俺の役目だけど」と言いかけてフェオドールは口をつぐんだ。
温泉から出ようとする小鳥に意識が向いたからだ。