EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「フェオさん、どうしたんですか?」
小鳥が尋ねるとフェオドールは僅かにスピードを上げながら冷静に答えた。
「センサーが反応した。この近くに特殊警察がいる可能性が高い」
「特殊警察?」
首を傾げる小鳥に、後ろから静理が教えてくれる。
「過激派の人間が結成した、闇人を駆逐するための裏部隊だよ」
「見つかると厄介だね。逃げ切りなよフェオドール」
サラリと無理難題を吹っ掛ける白魔の横ではルカが焦り出す。
「嘘だろ!?特殊警察と鉢合わせしたら洒落になんないし!」
するとオーレリアンが読んでいた本を閉じた。
「こんな交通量の少ない山道に、本当にいるわけ?」
誰にともなく尋ねる末っ子に静理が頷く。
「奴らは神出鬼没だからね。いても不思議じゃない」
行きに出会わなかったのは運が良かったのだ。
「なあ、あれじゃね?」
不意にカロンが前方を指差して言った。
車道脇に一台のパトカーが停車している。