EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】

「よし、こうなったらフェオの頭を一発殴ってやるか。上手くいけば何か思い出すんじゃね?」

「ふざけるなよ!兄様を殴るなんて許さないぞ!」

「自分の演奏をテレビで見させるのはどうかな?映像に記録したものがあるだろう?」

静理の提案には白魔が首を横に振る。

「直接ヴァイオリンに触って思い出せないなら映像見たって同じでしょ。本人の違和感が増すだけさ」

「本当に弾けなくなってるし…。これじゃやっぱり仕事はストップだよな」

実際に見てルカも納得したようだ。

しかし小鳥はというと、未だ信じられないのか、幽霊でも見たような顔をして言葉なくフェオドールを凝視している。

そんな彼女の視線に気づいたフェオドールは、何か思うことがあるような表情でヴァイオリンを下ろしたのだった。







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