EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
小鳥はボッと火がついたように顔を赤らめた。
その反応に気を良くしたらしいフェオドールが唇を彼女の頬に寄せる。
「キスは……俺からした方がいい?」
答えを返すより早くフェオドールの口付けが小鳥の頬を滑り、目当てである可憐な唇を啄んだ。
「ん……フェオ、さん…」
恥じらいはあるものの抵抗しない小鳥に対し、フェオドールの貪欲さが鎌首をもたげる。
いつの間にかキスは深いものへと変わり、フェオドールは左手で小鳥の腰をピッタリ密着するくらい抱き寄せていた。
右手で愛しげに彼女の頬を撫でればピクンと反応してくれるのが嬉しくて、フェオドールがもっと大胆に攻めてみようかと口付けの合間に思案していたその時ーー。
「っ……!?痛っ!!」
突如、小鳥が痛みを訴えた。
「どうした?」
尋ねた瞬間、フェオドールの鼻を掠める甘美な香り。
彼はすぐに察した。
「マドモアゼル……怪我をしたのか」
「ごめんなさい…。薔薇の刺が、指に…」