EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
13
†††
ほんの少しだけ、と言いつつ小鳥が立てなくなるまで吸ってしまったことに自己嫌悪。
フェオドールは血の気がなくグッタリしている愛しい少女をお姫様抱っこして廊下へ出た。
(マドモアゼルを部屋に送り届けてから、何か食事を用意しよう。最近、あまり食べていないようだったし…)
フェオドールが記憶喪失になってからというもの、小鳥は食事が喉を通らないことが多かった。
だから体力もないし、貧血にもなりやすい。
料理下手で不器用なフェオドールが人間用の食事を用意するなんて恐ろしい結果になりそうだが、本人は全く気にしていない。
やる気満々で廊下の角を曲がった時だった。
「あ、フェオに…小鳥!?」
「どうしたんだ?小動物、意識なくねぇ?」
ルカとカロンにバッタリ遭遇。
フェオドールは抱きかかえている小鳥をチラリと見遣って彼女が瞼を閉じているのを確認した。