EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
意味がわかっていないのか、怪訝そうな表情をするフェオドールに対し、隣で聞いていた静理は苦笑い。
「そう言う白魔は、肉食系かい?」
「もちろん」
「……なんだ?草食とか、肉食とか。今の話に関係あるのか?」
やはり理解できていなかったようだ。
フェオドールが説明を求めたその時ーー。
「あれあれ?皆様おそろいで。どうしちゃったわけ?」
明るい声に振り向けば、白魔の待ち人ミロスラフの姿が。
「……ミロ、お前が呼んだと聞いたが」
「僕が呼んだのはフェオの兄ちゃんだけだし…って、あれ?フェオってば記憶喪失じゃなかったの?聞いたよ、不幸な事件だったって」
「なんだそれは……」
「もう記憶が戻ったんだって。つまらないよね」
不機嫌そうに頬を膨らませ、つまらなさをアピールする白魔。
「なんだ~。なら直接フェオを呼び出せば良かったのか~」
「……俺に用事があったのか?」
「そ。記憶ないならクラヴィエの長男さんに話しとこうと思ってたんだけど、もう良いよね。実は、さ…」
そしてミロスラフは、フェオドールにとって今後の人生を大きく左右する話を語った。