EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
意気消沈。
廊下を歩くフェオドールを目にした小鳥の頭にそんな言葉が浮かんだ。
(フェオさん、どうしたのかな?なんだか元気がないように見えるけど…)
出掛けて帰って来てからのフェオドールはずっと心ここにあらずといった様子だ。
(記憶は戻ったのに……まだ他に悩み事でもあるのかな?)
小鳥がそんなことを考えながらフェオドールを眺めていた時だった。
バチリーー。
彼の青い瞳と視線がぶつかった。
その瞬間、声を掛けられることを直感した小鳥は自分から一歩フェオドールに近寄る。
「フェオさん…」
「……小鳥。あの…」
小鳥から目を反らし、彼は言いづらそうに言葉を探した。
「話が…あるんだが…」
「話…?」
「大切な話なんだ。……場所を変えよう」
そう言ってフェオドールは自分が一番落ち着ける花園に小鳥を導いた。