EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「君は…いつまでもあの頃と変わらないからな」
ーー君が、櫻井小鳥?
ーーあ、はい。そうです。初めまして
ーー俺はフェオドール。よろしく、マドモアゼル
初対面で初めてマドモアゼルと呼んだあの日。
まさかこんな未来が訪れるとは思いもしなかったが、瞬間的に惹かれるのを感じたのも確かで。
「……ああ、そうだ。あの頃と全てが同じじゃなかった…」
「えっ」
「君の身体は、俺を知ってしまったんだ…」
「きゃ!?」
トサリーー。
ソファーに優しく押し倒され、綺麗に微笑むフェオドールに見下ろされる。
「今から、抱いてもいい?」
「こ、ここで、ですか!?」
「何か不都合でも?」
「だって、隣にはノエルが…!」
「……そんなことを言ってたら、明日も明後日も、一年後だって、ずっとお預けじゃないか」
「うう…」
「だから…ね」
俺に君を愛させてーー。
囁きは甘い蜜の滴り。
小鳥の理性と思考が溶かされていく。
青薔薇の香りに包まれて…。
【フェオドール編 END】
2016/8/17