EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】

無言を返したフェオドール。

彼のだんまりは肯定と同じだ。

そうと知っているミロスラフは苦笑した。

「あちゃー、マジなんだ。まあ、おっきいミスしなくて良かったじゃん」

「ミスはしていない」

「はいはい、ゴメン。そこはプライドあるんだったね。フェオは」

唇を尖らせるフェオドールを宥めるのもマネージャーの役割なのか。

かなり親しげな様子の二人を小鳥は交互に見つめる。


(マネージャーって紹介されたけど…ミロさんもお友達なのかな?)


「仲良いでしょう?この二人」

不意にセルトに話し掛けられる。

小鳥は面食らいつつも頷いた。

「長い付き合いですからね。フェオからヨーロッパでのこと聞きましたか?」

「いえ…知らないです」

なんの話だろうか。

興味津々で小鳥が聞こうとした時、フェオドールが割り込んできた。

「おい……勝手に話そうとするな」

「良いじゃん良いじゃん。教えてあげよーよ。僕らの奇跡的な出会いをさ」

ミロスラフが満面の笑みを浮かべる。


< 27 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop