EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
無言を返したフェオドール。
彼のだんまりは肯定と同じだ。
そうと知っているミロスラフは苦笑した。
「あちゃー、マジなんだ。まあ、おっきいミスしなくて良かったじゃん」
「ミスはしていない」
「はいはい、ゴメン。そこはプライドあるんだったね。フェオは」
唇を尖らせるフェオドールを宥めるのもマネージャーの役割なのか。
かなり親しげな様子の二人を小鳥は交互に見つめる。
(マネージャーって紹介されたけど…ミロさんもお友達なのかな?)
「仲良いでしょう?この二人」
不意にセルトに話し掛けられる。
小鳥は面食らいつつも頷いた。
「長い付き合いですからね。フェオからヨーロッパでのこと聞きましたか?」
「いえ…知らないです」
なんの話だろうか。
興味津々で小鳥が聞こうとした時、フェオドールが割り込んできた。
「おい……勝手に話そうとするな」
「良いじゃん良いじゃん。教えてあげよーよ。僕らの奇跡的な出会いをさ」
ミロスラフが満面の笑みを浮かべる。