EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
漣があの時のことを暴露した瞬間、フェオドールがピキッと反応。
すかさず小鳥を守るように漣との間に割り込む。
「おいおい、そんな警戒するな。俺様と貴様の仲だろ」
「………今日は学校どうした」
「授業は終わった。今日はもうフリータイムだ」
そのため軍服ではなく黒の私服を着ている。
話しながら漣は楽器を持っているミロスラフを視界に捉えた。
「なんだ?吹くのか?」
「んー、まあね。あ、漣も一緒にどう?トリオがカルテットになるよ!」
「たまには良いな。よし!俺様が加勢してやる」
そう言うと、彼も楽器置き場へと歩いて行った。
それを見て小鳥は目を丸くする。
「漣さんも演奏するんですか!?」
「あいつはチェロが得意だ」
説明しながらフェオドールも自分のヴァイオリンを準備する。
店主のセルトもカウンターから離れて自分の楽器、ツィンバロムのバチを握った。
(わ~、セルトさんの楽器って初めて見る!)
両手にバチを持っているから木琴や鉄琴かと思いきや、ピアノの内部の弦を剥き出しにしたような大型の楽器だ。
ピアノは鍵盤を叩くが、こちらは直接バチで弦を弾くようだ。