EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「ほら~、しっかりしてフェオ!」
「フェオさん!着きましたよ」
「………ん」
それから数時間後。
フェオドールが酔っ払ってフラフラになってしまったので帰宅することにした小鳥達。
「全く…。あんまり強くないのに飲み過ぎるからこうなるんだよ。気をつけて!」
「……すまない、ミロ」
心配してついて来てくれたミロスラフに感謝しつつ車から降りる。
家の前でマネージャーとは別れ、小鳥はフェオドールと一緒にエレベーターに乗った。
「フェオさん、大丈夫ですか…?」
「ああ…」
屋敷内の廊下をゆっくり歩いてフェオドールの部屋へ。
途中で倒れやしないかと不安だった小鳥は、彼がちゃんと自室に入るのを見届けようと付き添った。
「……小鳥」
「えっ!?な、なんですか?」
「……今日は、ありがとう」
自室の扉の前でフェオドールは小鳥に微笑みかける。
「い、いえ…そんな」
照れて小鳥が目線を下げた時だった。
「おやすみ」
甘い声と共にキスが落とされた。
小鳥の唇にフェオドールの熱が伝わる。
軽い口づけの後、ふわりと笑ってからフェオドールは扉の向こうへと消えた。
――パタン
目の前で閉まった扉の音を聞きながら呆然となる小鳥。
(え…今、私……キスされた…!?)
真っ赤になって、その場にへたり込みそうになる。
(フェオさん…酔ってたから…?)
酔った勢いだったとしても嫌だとは思わない。
小鳥の胸のドキドキは、しばらく鳴り止まなかった。