EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】


†††


 不意打ちのキスをされてからというもの、小鳥はフェオドールの顔を見ると赤くなってしまう。

傍から見たらおかしいので意識しないよう努力しているのだが、数日経った今もまだ直らない。

対してフェオドールは表情一つ変えずに小鳥と接している。

まるであの時のキスなどなかったかのように。


(フェオさん酔ってたから…記憶にないのかも…)


彼の中でカウントされていないことは悲しいが、今問題なのは自分だ。


(フェオさんが忘れてるなら、私も変に赤くなっちゃダメだ!)


そんな日々の中、フェオドールが外出中の屋敷内である話題が上った。


「なあー、もうすぐフェオの誕生日だよな」

言い出したのはルカ。

居間に集まっていた兄弟プラス小鳥はそれぞれの反応を示した。

「ヤベー。忘れてた。もうそんな時期か。なんも用意してない」

カロンが困ったように髪を掻き上げる。

「ハッ、兄様の誕生日を忘れるなんて有り得ないし」

オーレリアンがカロンを小馬鹿にする横で小鳥は目を丸くさせた。

「フェオさんの…誕生日…!?」


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