EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
4
†††
不意打ちのキスをされてからというもの、小鳥はフェオドールの顔を見ると赤くなってしまう。
傍から見たらおかしいので意識しないよう努力しているのだが、数日経った今もまだ直らない。
対してフェオドールは表情一つ変えずに小鳥と接している。
まるであの時のキスなどなかったかのように。
(フェオさん酔ってたから…記憶にないのかも…)
彼の中でカウントされていないことは悲しいが、今問題なのは自分だ。
(フェオさんが忘れてるなら、私も変に赤くなっちゃダメだ!)
そんな日々の中、フェオドールが外出中の屋敷内である話題が上った。
「なあー、もうすぐフェオの誕生日だよな」
言い出したのはルカ。
居間に集まっていた兄弟プラス小鳥はそれぞれの反応を示した。
「ヤベー。忘れてた。もうそんな時期か。なんも用意してない」
カロンが困ったように髪を掻き上げる。
「ハッ、兄様の誕生日を忘れるなんて有り得ないし」
オーレリアンがカロンを小馬鹿にする横で小鳥は目を丸くさせた。
「フェオさんの…誕生日…!?」