EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
子供の日生まれの男子なのだから自慢できそうなものだが、白魔にとってはどうでもいいことらしい。
「ねえ、白魔と静理は兄様の誕生日、祝う気あるの?」
「別に、ないよ。だから勝手にやっちゃって」
サラリと言ったのは白魔だった。
彼はソファーから立ち上がると小鳥に近寄った。
「僕のプリマドンナ、君の誕生日ならお祝いしてあげる。来年、楽しみにしてて」
小鳥の髪にチュッと口づけてから居間を出る。
「俺達でジェラルドのプレゼントを考えるから、フェオのことは任せるよ」
静理もそう言って自室へ戻って行った。
「白魔の奴、小鳥にベタベタすんなっての!」
「怒んなってルカ。百歳ジジイの思う壺」
「……そういえば、フェオさんて何歳になるんですか?」
何気ない小鳥の質問にルカとカロンが顔を見合わせる。
「えっと……何歳だっけ?」
「もう五十になったか?」
「兄様はそんな歳じゃないぞ!まだ三十にもなってないし」
どうやらフェオドールは二十代らしい。