EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
(けど、こいつってクソ真面目だよな。ケーキなんか市販で済ませたって構わないのに)
買い物に付き合ってわかった。
小鳥は真剣にフェオドールのことを思ってケーキを作ろうとしている。
わざわざ自分を引っ張って来たことにオーレリアンは少なからず感心していた。
(兄様のこと、ちゃんと考えようとしてるところには好感持てる)
こんな女がフェオドールのフィアンセだなんて認めたくないオーレリアンだが、他の女よりマシかもしれないと、ふと思ってしまった。
(こいつになら、兄様を任せられるのか…?)
兄の支えになってくれるのだろうか。
清んだ青い瞳でオーレリアンは探るように目の前の小鳥を見つめる。
「ねえ、お前さ。兄様のこと…どこまで知ってるの?」
「え?どこまでって…」
「いや…その…」
何やら言いにくそうに口籠もるオーレリアン。
「知らないなら…いい」
「なんのことですか?教えて下さい、オーレリアンさん」
フェオドールのことならば気になる。
強い眼差しで見つめてくる小鳥に負け、オーレリアンは躊躇いがちに口を開いた。
「兄様の…女関係」