EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
ドキリとする。
小鳥はちょっと怯んだ。
「もし、かして…恋人がいる…とか…」
「いや、今はいないと思う。いたらお前をフィアンセとして受け入れてない」
「じゃあ…フェオさんの女関係って…?」
敏感なオーレリアンは小鳥の微かな震えに気づいて複雑な表情をした。
「やっぱいい…。言わなきゃ良かった」
「えっ!言い出しといてズルイですよ!」
「狡いも何も、知って傷つくのはお前だぞ」
オーレリアンの言葉に小鳥は顔を強張らせる。
黙ってしまった小鳥のことを今度はオーレリアンが真っ直ぐ見つめた。
「僕が言いたいのは、兄様がお前以外の女に甘過ぎても幻滅するなってこと。ちょっと誑しっぽくても気にするなよ」
「……たらし、なんですか…?」
「傍から見たら…な。けど、僕は知ってる。兄様は紳士だ」
どちらなのだろう。
矛盾する答えに小鳥は首を傾げるしかなかった。