EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
5
†††
「貴方って本当に寂しがり屋ね」
フェオドールは素直にその言葉を受け止めた。
「……わかってる」
個室のカギをカチャリとかけるのは自分。
広い柩の寝台に横たわるのは彼女。
「心配よ。なんだか見てらんない」
「それはお互い様じゃないか…?」
「ふふ…確かに、ね」
おいでと手招かれ、フェオドールは誘われるまま彼女に近寄った。
「今日はどうしたの?」
「……好きな子ができた」
「あら、良かったじゃない」
「だから……怖い」
「またフラれるって?」
「………」
考え込むように押し黙る。
彼女の腕がフェオドールの首に回った。
「俺は…どうすれば良いんだろう…」
「あたしと遊ぶのやめたら?」
「真面目に答えてくれないか…」
「別に、深く考えることないでしょ?前の時と一緒。もしまた貴方がフラれたら、あたしは慰めてあげるだけ」
「だからあたしのことも慰めて」と囁くこの女性はとても狡い。
そうフェオドールは思う。
「うちの旦那もまた違う女と浮気してさ。ホント、嫌になる…」
「……でも、好きなんでしょ」
「本当にね…。別れられない自分が一番嫌…」