EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】


†††




「貴方って本当に寂しがり屋ね」

フェオドールは素直にその言葉を受け止めた。

「……わかってる」

個室のカギをカチャリとかけるのは自分。

広い柩の寝台に横たわるのは彼女。

「心配よ。なんだか見てらんない」

「それはお互い様じゃないか…?」

「ふふ…確かに、ね」

おいでと手招かれ、フェオドールは誘われるまま彼女に近寄った。

「今日はどうしたの?」

「……好きな子ができた」

「あら、良かったじゃない」

「だから……怖い」

「またフラれるって?」

「………」

考え込むように押し黙る。

彼女の腕がフェオドールの首に回った。

「俺は…どうすれば良いんだろう…」

「あたしと遊ぶのやめたら?」

「真面目に答えてくれないか…」

「別に、深く考えることないでしょ?前の時と一緒。もしまた貴方がフラれたら、あたしは慰めてあげるだけ」

「だからあたしのことも慰めて」と囁くこの女性はとても狡い。

そうフェオドールは思う。

「うちの旦那もまた違う女と浮気してさ。ホント、嫌になる…」

「……でも、好きなんでしょ」

「本当にね…。別れられない自分が一番嫌…」


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