EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「今日はお仕事あったんですか?」
「ああ。だからこんな時間になってしまった。すまない」
「いえ!こっちこそごめんなさい。疲れてるところを…付き合わせる形になってしまって…」
「気にしなくていい。俺は平気だから」
歩きながら会話をし、家を出る。
二人は駅へ向かい、電車に乗り込んだ。
そのまま電車に揺られ、何事もなく人間居住区へ――といいたいところだが、電車の中で小鳥は気づいてしまった。
(フェオさん、スッゴク見られてる…)
周りの乗客、特に女性達の視線がフェオドールに釘付けだ。
(フェオさん、美人だもんね。みんなが見ちゃう気持ち、わかる…)
空いている席がなくて立っていた小鳥は、一歩二歩とフェオドールから離れてみた。
美人オーラを発するフェオドールの隣は居心地がよろしくない。
五歩くらい下がった場所から眺めるのが丁度いい。
そのまま三歩目を下がろうとしたらフェオドールに腕を掴まれた。