EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
それから少ししてフェオドールの誕生日となった日、小鳥は早い時間からキッチンでケーキ作りに勤しんでいた。
モンブラン作りは初めてなので、材料と一緒に買ったレシピ本を参考に一生懸命だ。
試しに作ったものを自分で食べて味を確認していると、ノックも無しにオーレリアンが入って来た。
「できたの?」
「い、一応…」
「ハッキリしないな。どっちなんだよ」
「味を見てたんです。フェオさん用のちゃんとしたのは今から作ります」
「あっそ。急げよ。間に合わなかったら先に始めるからな」
今から一時間後にフェオドールを呼び出し、誕生日を祝う予定らしい。
白魔と静理は不参加だが、残りの弟達は居間でお祝いの準備をしているとのこと。
「あの、オーレリアンさん」
「ん?何?」
「これ、どうぞ」
「は?」
小鳥に渡されたものを見てオーレリアンは目を丸くした。
「モンブラン…?なんで?これは兄様にあげるものだろ?」
お皿の上にチョコンと乗っているモンブランは小さめで、優しい栗色のクリームが美味しそうだ。
なぜ自分に差し出されたのか理解できずオーレリアンは突っ返そうとする。