EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「もらって下さい!オーレリアンさんには色々お世話になったので、そのお礼なんです」
「ふーん…僕に毒味をしろってことかと思った」
「ち、違います…!」
「わかってるよ。うるさいな。有り難く食べてやる」
テーブルにつくオーレリアンを見て小鳥は嬉しげにフォークを渡した。
「てかお前さ、あれから兄様と喋ってないだろ」
「うっ…」
いきなり嫌な話題を提供され、たじろぐ。
小鳥はここ数日の自分を振り返り、憂鬱な気分になった。
「フェオさんと、どんな顔して会話すればいいのか…わからなくて…」
寝ている自分の横に青薔薇を置いてくれたのは本当にフェオドールなのか。
本人に確かめたかったが、話し掛ける勇気がなかった。
小鳥は現在、酔いに任せて「バカ」なんて言ってしまったことを激しく後悔している真っ最中なのだ。
「どうしよう…今のままじゃ、ちゃんと渡せないかも…」
「……」
モグモグと甘いクリームを堪能しながらオーレリアンはジッと小鳥を見つめる。
それから不意に、握っていたフォークを置いた。