EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「マドモアゼル、あまり離れないで」
引き寄せられ、抱きしめられる。
これでもかという程密着してしまい、小鳥は慌てた。
「フェ、フェオさん!」
「ん?」
「見られてます!見られてますから…!」
「ああ…確かに。見られているな」
眉間にシワを寄せて周りをチラリと見回すフェオドール。
「男達が君を必要以上に見つめてる。不愉快だ」
「え…?」
自分ではなくフェオドールが注目されているのだが。
小鳥が首を傾げていると、フェオドールは悩ましげに溜息をついた。
「人間だから、という理由にしては見られ過ぎだ。ハァ…やはりミニスカートはまずかったか…」
「え!?わ、私のスカートのせい…ですか…?」
突然の指摘に目を丸くする。
「他に何か理由が?君の白い素肌が男達を誘惑しているようにしか思えないんだけれど」
(ゆっ…誘惑!?)
顔を真っ赤にして否定するように首を横に振る小鳥。
それを見てからフェオドールは軽く目を閉じた。
「無自覚なのも困りもの、か…」
あなたにだけは言われたくないセリフですと言い返す前に、フェオドールが口を開く。
「今度そのような格好をして出掛けるなら車で行こう。もしくは俺がロングスカートを贈る」
「は、はい…」
彼のペースに持っていかれて、もう周りからの視線などどうでもよくなっていた小鳥だった。