EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
――バンッ!!
突如、激しい音を立てて扉が開かれた。
「……っ!!」
息急き切って入ってきた人物はフェオドール。
「兄様!?」
小鳥を抱きしめたままオーレリアンは目を丸くする。
小鳥も言葉を失い、驚愕してフェオドールを見つめた。
今ここで、まさか彼がやって来るとは――。
呆然となる二人にフェオドールはツカツカと近寄った。
その表情はいつものポーカーフェイスを置き去りに、怒りと焦りが丸見えだ。
「来いっ」
短い命令。
それは小鳥に向けられたもので、フェオドールは彼女の腕をグイと引っ張った。
「あっ…」
引き寄せられた小鳥が声を漏らす。
「待って兄様!!そいつをどうするの!?」
小鳥を連れて部屋から出ようとする兄にオーレリアンは問い掛けた。
「………」
立ち止まるも、フェオドールは黙ったまま。
チラリと横目に末っ子を睨むと、彼は何も語らず廊下へ出た。
小鳥の手をしっかりと握り締め。