EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
「なぜ、答えなかった…?」
「え…」
「どうして……俺の名を言わなかった…!」
「フェオ、さん…?きゃあっ!?」
ビリリ、と嫌な音がして服が破かれた。
相当強い力で引き裂いたのか、小鳥の胸元までフェオドールの眼下に曝される。
白い素肌を欲深に見つめると、彼はなんの前触れもなく小鳥のそこに顔を埋めた。
小鳥が恥じらいを覚えたのも一瞬。
牙が、食い込む。
「っ…!!いっ、痛っ!」
乱暴だった。
普段の穏やかなフェオドールからは想像できない程に強引な吸血は、小鳥に恐怖を植え付ける。
フェオドールは一度牙を離すと、血のついた唇を舌で舐めながら小鳥の泣き顔を覗き込んだ。
「俺を呼んで…。その声で……俺だけを…」
狂おしい心で囁き、少女の腰を抱き寄せてキスを迫る。
僅かな可愛らしい抵抗が見られたが、フェオドールは気にせず口づけた。
「やっ、フェオさ…!」
血の味の接吻は生々しくて。
「怯えないで…。怖くないから」
彼の声は甘すぎて。
ドロドロに溶けてしまいそうな思考で、小鳥はフェオドールに貪られる自分を理解した。
いつの間にか脱がされていた服が、パサリ――。
床に落ちる。