EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
さて、スーパーに到着した二人は早速食糧品を見て回ることに。
小鳥が欲しい食材をカゴに入れていくのを眺めながら彼女の後ろをついて行くフェオドール。
ふと、ある商品が彼の目に留まった。
「………」
立ち止まり、無言でそれを見つめ続ける。
気づいた小鳥はフェオドールの視線の先を追った。
「梅干し…?」
「………」
「フェオさん、梅干し好きなんですか?」
「……好き、というより懐かしい」
「懐かしい?」
フェオドールは微かに笑みを浮かべた。
「俺の母が好んでよく食べていたんだ」
「お母さんが?えっ、でも確か、フェオさんのお母さんは…外国の方じゃ…」
「確かに俺の母親はフランス人だが、こちらに住んでいたからな。俺が生まれたのも日本だ」
パックに入った梅干しを見つめて思い出す。
「基本血液しか飲まない俺達だが、美味しいからと、よく食べさせてくれた。ルカとオーレリアンはマズイと言って吐き出していたけれど……俺は美味いと思う」