EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
(アイス屋さん、結構混んでるみたいだけど…大丈夫かな?)
子供フェオドールの後ろ姿を見つめてヒヤヒヤ。
先程までのドキドキはどこへやら、小鳥は小さい弟を見守る姉の心境で待っていた。
と、そこへ。
「こんな所で一人は危ないよ、小鳥ちゃん」
いきなり背後から声を掛けられ、振り返る。
「あっ、静理さん!」
「フェオは?一緒じゃないのかい?」
静理は話しながら少し前までフェオドールが座っていた場所に腰掛けた。
「今、そこのアイス屋さんに行ってます」
「え…?フェオ、いるかい?見当たらないけれど」
「あの金髪の男の子がそうですよ」
「………え、あれが?」
白魔が飲ませた薬のせいでフェオドールが子供になってしまったことを知らない静理。
小鳥が状況を説明しているとフェオドールが戻ってきた。
「……成る程ね。それでこんな姿になったのか」
「…お前、誰だ?マドモアゼルから離れろ」
見知らぬ男性に対しては警戒を怠らない。
アイスを両手に凄んでみせるフェオドール。
しかし可愛く見えてしまうのであまり効果はないが。
「静理だよ。君の兄の」
クスリと笑ってから静理は弟に席を譲った。