EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【フェオドール編】
よいしょと座ってフェオドールが小鳥にアイスを渡す。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
フェオドールから受け取ったそれはソフトクリームで、アイスの部分は真っ赤だった。
「あの…これって……何味なんですか?」
もらったは良いが赤過ぎるアイスにまさか血ではと疑うと…。
「ストロベリーです」
素敵な笑顔のフェオドールにそう返された。
ホッと胸を撫で下ろしつつも、恐る恐る一口舐める。
(あ、イチゴだ)
「美味しい?」
確認するように顔を覗き込んでくるフェオドールに、小鳥は機嫌良く頷いた。
「アイス、美味しそうだね」
見ていた静理がポツリと呟く。
「たまには俺も食べてみようかな」
買いに行こうか迷っている兄にフェオドールは自分の分を差し出した。
「……なら、俺のをあげる」
「え、いいのかい?」
「うん。俺は…小鳥さんと一緒に食べるから」
「へっ!?」
バッチリ聞いていたため思わず変な声を上げてしまった小鳥。
「い、一緒に食べるって…私の食べかけですよ…!?」
「ダメ……ですか?」
しゅんとしてからフェオドールはおねだり攻撃を開始した。
「いいでしょ?小鳥さん。俺にもちょっと、舐めさせて…」