EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
8
†††
静理の言葉に驚愕し、目眩を覚えた。
(私が……吸血鬼に、なった……?私は、死んだの……?)
運よく命が助かった、という優しい現実ではないことを悟り、固まる小鳥。
そんな彼女を見て静理がグッと唇を噛む。
それから突然、彼は頭を下げた。
「ごめん。小鳥ちゃん。俺のせいだ」
「え……」
小鳥が困惑しながら静理を見つめる。
「俺が……君のことを弾避けにしたって、聞いた。俺は子供に戻っていた時の記憶がないんだけれど……間違って、いないよね……?」
真実を確認され、小鳥は視線を泳がせた末、最終的に小さく頷いた。
「ごめんっ……本当に、ごめん」
謝罪する静理の声は悲痛だ。
小鳥はそれを聞きながら、ボンヤリする頭で考える。
(静理さんの、せい……。そうだ……私が、死んだのは、静理さんの……)
その時、静理がゆっくりと顔を上げた。
頬を涙で濡らした苦痛の表情が小鳥の瞳に映る。
小鳥はハッとして考えを改めた。
(っ……違う!!確かにそうだとしても、私はっ、静理さんを責めたいわけじゃない!)