EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】


クラヴィエ兄弟が全員そろったのは、小鳥が泣き疲れて眠っている間だった。

もともと彼女を参加させる気はなかったため、そこは問題ない。

問題があるとすれば、それは静理の方だ。

自分で思っているよりも静理は精神的にダメージを受けている。

彼は集まった兄弟の前で憂鬱な溜息を吐き出した。

「静理どうしたの?めっちゃ暗くない?」

ルカが遠慮なくズバッと問いかける。

静理は苦笑するしかなかった。

「話、とは……?」

フェオドールが本題を促すも、それを見事に遮った弟が一人。

カロンだ。

「そんなことより静理。今日は小動物と一緒にどこにいたんだ?かなり探したんだけど。見つからないとかスゲー怪しい」

「ま、まさかっ、小鳥をいかがわしいお店に連れてってピーでピーしてピーなことを!?」

「ルカ、ピーって何さ。恥ずかしがらずに言ってごらん」

白魔がからかう気満々でニヤニヤとルカを見た。

ルカは真っ赤になって力強く主張する。


< 106 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop