EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「無理!言えないから自主規制音さんに助けてもらったんだろ!」
「天使のピーちゃんだよな。ルカのアウトな欲望を完全モザイクするためによく降臨する」
カロンがテキトーなことを言い始めた。
が、あながち間違ってはいない。
「そんなもの降臨しなきゃ成り立たない会話とか疲れるんだけど。ルカなんか放っといてさっさと話し進めなよ、静理」
オーレリアンが呆れながら脱線した流れを戻しにかかった。
その隣でフェオドールが口を開く。
「マドモアゼルは呼ばなくていいのか?」
「うん。彼女についての話だけど、本人がいると気まずいだろうから」
白魔がピクリと反応し、目を細めて静理を見た。
「本人がいるとできない話、か……。ねぇ、静理。君さ、僕のプリマドンナに何かした?」
「どういう意味かな?」
「なぜか少し……いつもと違う気がするんだよね。彼女の気配」
まだ小鳥と直接会っていないはずの白魔だが、同じ屋敷の中にいて相手の気配を察知することはできる。
どうやら白魔の直感が働いたらしい。