EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
(やっぱり、白魔は鋭い)
そんなことを言えば「伊達に長く生きてないからね」と返ってきそうだ。
「小鳥に何かあったの?」
全く気づいていない鈍感なルカが首を傾げる。
静理はとうとう打ち明けた。
「……小鳥ちゃんが、闇人になった」
「は?」
何言ってんだ頭でも打ったか、という意味を込めてカロンが「は?」の一言を発する。
「え?」
続いて、ルカが疑問符を脳内でたくさん跳ねさせていそうな間抜け面になった。
フェオドールは無言を貫き、オーレリアンは面倒臭そうに溜息をこぼし、白魔は納得した様子で小さく頷いている。
「そう……なるほどね。それで?もっと詳しく話してごらんよ」
僅かにピリピリしつつも興味深げに詳細を希望する白魔。
静理は父親に会ったところから自分が覚えていることを順番に話していった。
いつもは何かと人の話を邪魔する兄弟達だが、今回ばかりは余計な口を挟まず真面目に耳を傾けている。
静理が全て語り終えた時、少しの沈黙の後、妖しい笑みを浮かべて白魔がこう言った。
「取り敢えず、父上は私刑だね」
白魔の意見に満場一致。
いつも兄弟達の悪口から然りげ無くジェラルドを庇うルカやフェオドールですら「さもありなん」とばかりに頷いた。