EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「残るは静理だけど……。君さ、僕達に何か言い残したいことある?」
「なにそれ不穏過ぎるだろ!静理のこと、これから消すつもりかよ!?」
白魔の問い掛けに噛みつくルカ。
だが噛みついた相手が悪かった。
「フフッ、愚問だね。僕のプリマドンナの死を横取りした上、闇人にさせたんだ。静理の罪は重いよ!プリマドンナの死とは、彼女への愛によって導かれ完成する永久不変の芸術品であるべきなのさ。その絶対的な不可侵と神聖を黄泉帰りが汚すだなんて許されないことなんだよ!」
「……ごめん白魔、後半の意味サッパリわかんない」
「ハァ……これだからルカは僕との一対一で会話が五分と続かないのか」
「ムカッ!なんだよそれ!別に白魔と長時間楽しくお喋りできなくても生きていけるし!」
威嚇する犬のようなルカには興味もないのか、白魔は手でナイフを弄びながら、黙ったままの静理を見遣る。
白魔のナイフを無表情で見つめ、静理は弱々しい声で答えた。
「すまない、と……思ってる」
「……その言葉、彼女には言ったのか?」
今度はフェオドールが質問してきた。
白魔と違って責めるような様子は全くない。
「謝罪はしたよ。でも赦されるなんて、思ってない」