EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「……カロン、俺がさっき言った言葉、まだ覚えているか?」
フェオドールが不安げに尋ねる。
「あー……あれだろ。マドモアゼルは、俺が守る!!」
「言ってねーし!てかフェオの真似ヘタ過ぎ!」
すかさずルカのツッコミが入った。
「闇人になったばかりで混乱しているだろうから、本人が落ち着くまで外野はそっと見守るべきだ……って言ったんだよ兄様は」
「うわぁ……完璧に覚えてるとか有り得ない……俺どこでオーレリアンの育て方間違えたかな……?」
「は?ルカに育てられた覚えないんだけど」
「あんたさ、勿体ない記憶力の使い方してるよな?」
「お前ら、仲良く地獄を見たいわけ?」
「じょーだん。オーレリアン地獄とか悪夢でしかないから遠慮しとく」
カロンはニヤリと笑ってからルカに視線を移した。
「んじゃ、小動物が落ち着いたらってことで……ルカ、作戦会議だ。新人の教育は最初が大事」
「パーティー企画だろ!?何するつもりだよ!」
またカロンのせいで会話がとんでもない方向に脱線している。
白魔はちょっと苛立った。
「ねぇ、静理の話はこれで終わりなの?なら僕は部屋に戻るよ。パーティーの計画とやらはルカ達に任せるからさ」
「白魔はパーティーには反対しない感じ?」
ルカに問われ、白魔は笑う。
「勿論。僕だってプリマドンナが仲間になるのは大歓迎さ」
「全員強制参加なー。覚えとけよー。特にオーレリアン」
この後、カロンが余計な一言を付け足したためオーレリアンの毒舌が大活躍したのは言うまでもない。