EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
泣いて眠りに落ちた小鳥がボンヤリと目覚めた時、何よりもまず気になったのは空腹だった。
(お腹……空いた)
ベッドからのそりと起き上がる。
(私、吸血鬼になったんだっけ……?なら、お腹が減ったら……)
血を飲まなければ。
「……飲みたく、ない」
憂鬱だ。
血を飲むと考えただけで気分が悪くなる。
しかし、小鳥の気分など知ったことかと言わんばかりにぐぅと腹が鳴る。
(キッチンで、何か作ろう……)
迷った末、小鳥は普段通りの食事をしてみることにした。
吸血鬼だからって血液しかダメということはない。
(前にルカくん達、カレー食べてたし、食べれるはず……)
白魔やカロン、それにルカが蜜莉と一緒にカレーを食べていたことを思い出す。
キッチンに向かった小鳥はいつも通りご飯を炊いて味噌汁を作った。
(おかずは……昨日の肉じゃがの残りがあったっけ)