EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
コンコンと扉をノックし、彼を待つ。
少しして静理が部屋から出てきてくれた。
そして、静理の顔を見て小鳥は目を丸くする。
彼の綺麗な顔の一部が変色し、痛々しく腫れていたのだ。
「どうしたんですか!?」
「ちょっと、ね。このくらい、すぐ治るから。大丈夫だよ」
「誰かに、殴られたんですか……?」
「自業自得ってやつだから……気にしないで」
小鳥を気遣ってニコリと笑う。
「それより、何かあった?」
小鳥を自室に招き入れ、静理は優しく問い掛けた。
「えっと、その……」
なんと説明しようかちょっと考えてから小鳥が喋り出す。
「私って、ご飯とか、料理したものは食べられなくなるんですか……?さっき、食べようとしたんですけど気持ち悪くなっちゃって、結局食べられませんでした。私の体はもう、血しか受けつけないんでしょうか……?」
「そんなことないよ。闇人だって料理は食べられる。でも小鳥ちゃんの場合、闇人になったばかりだから、体が変化になれるまで血だけの方がいいかもしれない」
やっぱり血なのか、と小鳥がガックリした瞬間、また腹が鳴った。
ぐうぅ~と盛大に鳴ったそれは静理の耳にも届いたらしい。
「今……お腹が空いているのかな?」
「はい……」