EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「私も……静理さんじゃないと、嫌です」
「なら、おいで。小鳥ちゃん」
ソファーに促され、静理と共に座る。
「どこを、吸いたい?首でも胸でも腹でも、好きな場所を……ああ、脱いだ方がいいか」
着ている服を脱ごうとする静理。
(まさか、裸になるつもりじゃ……!?)
焦った小鳥は頬を染めながら咄嗟にこう言っていた。
「っ、手!手がいいですっ」
「手……?手で、いいの?」
コクコクと頷く小鳥を見て、静理が脱衣をやめる。
小鳥はホッとした。
「はい、どうぞ」
差し出された片手に、ゴクリと唾を飲む。
小鳥は覚悟を決めてそっと静理の手に触れると、自分の口へと引き寄せた。
そして恐る恐る、手の平に牙を立てる。
プツリと肌が破れ、静理の味が小鳥の舌に染み込んだ。
(ドキドキする。相手が、静理さん、だから……)
血を舐めながら、もう止まっているはずの心臓がドクドクと高鳴っているかのような気分になる。