EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「てかマジでビックリした!授業中にいきなりだったし」

「そうそう。テスト近いし、寝ないで陰険な試験問題でも作ってたんじゃねぇ?」

「ハハッ、それは僕も見てみたかったな。あの静理が貧血で倒れるとか、後々まで語り継げる笑い話だね」

居間に入ろうと、小鳥が扉を少し開けた時、そんな会話が中から聞こえてきた。

ルカとカロンと白魔が話している。

静理のことを。

「……静理さんが……倒れた……?」

「おー、小動物」

「え、小鳥!?」

「そんなところに立ってないで、こっちにおいでよ。僕のプリマドンナ」

彼らが小鳥に気づき、中へと誘う。

小鳥は空いているソファーの端っこに座り、何があったのか問い掛けた。

「あの、静理さんが倒れたって、聞こえたんですが……」

「うん。今日、学校でさ、俺達の授業中にいきなりぶっ倒れたんだよ。貧血って噂だけど、静理に直接聞いたわけじゃないからよくわかんなくて」

ルカの説明に小鳥は「もしや」と思う。

「今、静理さんは……?」

「もう帰ってきてんだろ。部屋で寝てそう。俺も眠い……」

カロンが小鳥に答えながらあくびをした。


(私の、せいだ……私が……)


< 123 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop