EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「在庫?ああ……選り好みしなければ十分余ってるよ。僕のプリマドンナはどんな味が好みなのかな?物があるかわからないけれど、取り敢えず参考までに聞いておくよ」
「味、は……」
思い出すのはいつも摂取している彼の味だ。
好きも嫌いもなく、その味しか知らない。
静理の味に近ければ、きっと美味しくいただける。
「静理さんみたいな味……が、いいです」
「え……静理の味って、どんな味?」
三人とも同じことを思ったが、ルカがいち早く尋ねた。
この答えを考えておらず、小鳥は焦る。
「えっと、その……それは、ですねっ」
「ああ、待って!なんかあんまり知りたくないかも。身内の味とか……なんか生々しい!」
訊いておいてルカが遮った。
白魔がやれやれと溜息を吐きつつ椅子から立ち上がる。
「ハァ……仕方ない。静理の味がわからないから女性が好きそうな味を持ってくるよ。ちょっと待っててね」
「ありがとうございます!お願いします、白魔さん」