EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「……誰が、くたばってるんだい?」
声に反応して全員が一斉に扉の方へ顔を向ける。
「静理さん!」
いつの間に入ってきていたのか、そこには扉に寄りかかって腕を組んでいる静理の姿が。
彼は小鳥だけを真っ直ぐ見つめた。
「君に血をあげようと思って部屋に行ったらいなかったから、焦ってしまったよ。こんなところにいて大丈夫かい?カロンやルカに無理矢理引っ張り出されたのならお仕置きしとくけど」
「無実!俺達は何も悪いことしてません!」
「そうだそうだ。こういうの冤罪って言うんだろ?静理サイテー」
ルカとカロンが何やら騒いでいるが綺麗に無視し、小鳥の方へとゆっくり近づく。
静理はテーブルに並ぶブラッディーボトルを一瞥した。
「静理さん、体は大丈夫ですか!?貧血で倒れたって聞きました……!」
「ああ……耳に入ってしまったんだね。大丈夫だよ。貧血と言っても人間のとは違ってね、闇人特有のもので……大袈裟にするようなことじゃないから」
「でも、私のせいですよね。ごめんなさい。私が考え無しに静理さんの血ばかり飲んでいたから」