EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「静理さん……せめて、吸血は三日に一回にしましょう!他の日はこれを飲みます」
「三日に一回?許可できないかな、それは」
「なら……二日に一回とか」
「俺としては一日一回が相応しいと思うけど」
「それじゃ今までと同じです!」
静理も小鳥も、折れるつもりはなかった。
このままではいつまでも平行線を辿ることになる。
(うぅ……これは言いたくなかったけど……)
仕方がない。
小鳥は覚悟を決めた。
「静理さんが自分の体のこと考えてくれないなら、もう私は静理さんから一滴も血はもらいません!二度と、静理さんの血なんて飲みませんから!」
啖呵を切るように言ってから、小鳥はその勢いに任せて居間から出ていった。
静理から守ったブラッディーボトルを抱えたまま。
「ハハッ、なにこれ、痴話喧嘩?あの静理が?フフッ、面白すぎて涙が出てくるよ」
小鳥が去った部屋で白魔が心底愉快そうに笑う。
そんな兄の笑い声を聞きながらルカは不安げに扉と静理を交互に見遣った。
「なあなあ、小鳥、めっちゃ怒ってなかった?早く謝った方が良くない?」
「静理、頑張れ。尻に敷かれてこい」
「……好き勝手言ってくれるね、君達」
目を見開いて固まっていた静理は、うるさい兄弟のおかげで我に返った。
このままでは駄目なことくらい静理もわかっている。
彼は急いで部屋を出て、小鳥を追いかけた。