EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「小鳥ちゃん、いるかい?入っていいかな」
廊下に小鳥はいなかった。
恐らく自室に戻ったであろうと推測してコンコンと扉をノックする。
静理の考えは当たっていた。
部屋の中で小鳥がビクリと肩を震わせる。
(静理さんが来た……!)
小鳥はブラッディーボトルを静理の目につかないところに慌てて隠すと、一度深呼吸をしてから返事をした。
「……どうぞ」
ガチャリと開かれた扉。
無言で中に入ってくる静理。
小鳥は静理が扉を閉めるのを緊張しながら見つめた。
「小鳥ちゃん、話があるんだ」
「話って、さっきのことですか……?」
「そうだね。さっきのことにも関係してくるかな。君に伝えておきたいことがあってね」
静理が小鳥に一歩、二歩と近寄る。
「小鳥ちゃん、君が闇人になったのは俺のせいだ。だから俺は、君の側にずっといる。俺ができることなら、何だってしてあげたいんだ」
「え……」
「君に俺の体中の血を全部飲み干されたって、俺は恨み言を言う資格なんてない。むしろ君の役に立てるなら本望なんだ。お願いだから、わかって欲しい」