EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
あの日、諦めない宣言をした静理はその言葉通り、毎日必ず小鳥の部屋に来ては「吸ってくれ」としつこい。
小鳥は抵抗するべく白魔から受け取ったブラッディーボトルを静理の前で見せつけるように飲んだりしたのだが。
それが逆効果となった。
「昨日、静理さんがブラッディーセラーを破壊しようとしたらしくて……。私がこの屋敷を出れば、静理さんもそんなことしないと思うんです」
「……なるほど。それで昨日の白魔は機嫌が悪かったのか」
フェオドールが納得する。
昨日はその時たまたまブラッディーセラーに白魔がいたから阻止できたが、二度目はどうなるかわからない。
この話を白魔から直接聞いた小鳥は自分の軽薄な行動を呪った。
「よし。もう一発殴る時が来たか」
カロンがバキッと指を鳴らす。
それをフェオドールが目を細めてたしなめた。
「カロン……」
「じょーだん、じょーだん」
「殴っても良いんじゃない?静理って、メスブタが絡むと馬鹿になるし」
オーレリアンの意見を聞き流しながら、フェオドールは自分が小鳥のことを静理に任せるべきだと言ったことを思い出し、申し訳なくなった。
こうなったのは自分のせいだ、と真面目に考える。