EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「……静理のことはわかった。俺達でどうにかしよう。だから、君が屋敷を出ることはない」
優しく言ったはずが小鳥の顔は暗いままだった。
まだ何か心に思うことがあるらしい。
小鳥の様子をジッと観察するフェオドール。
少しして彼女は小声で話し出した。
「静理さんから離れたい理由は……もう一つあるんです」
耳と頬をほんのりピンクに染めながら、小鳥は恐る恐る意見を求める。
「あの……皆さんは、好きな人を罪悪感で自分に縛りつけるのって、どう思いますか?」
「好きな人って、静理のこと?」
オーレリアンの冷たい声に小鳥がビクッとしてから小さく頷く。
「……白魔呼んできた方がいいか?そういうよくわかんねぇの、あいつの得意分野だろ」
カロン的に恋愛話はいつでもウェルカムなのだが、ちょっと小難しいと理解に苦しむ。
しかも真面目なお悩み相談の場合、下手なことは言えないので困るのだ。
カロンは助け舟でも出ないかと、チラッとフェオドールを見たが、頼りの兄も困惑したような表情だった。
ダメか、とカロンが諦めたその時。
珍しくオーレリアンが落ち着いた声でゆっくりと喋り始めた。