EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

つまりカロンと静理の会話は全て、奥の部屋で待機していた小鳥達に盗聴されていたのだ。

カロンが首を絞められた時点で部屋から飛び出しそうになっていた小鳥だったが、まだ出ていくべきではないとフェオドールに止められ、オーレリアンに怒られ、ハラハラしつつ様子を探っていた。

だが、それもここまでだ。

「私、静理さんのこと、好きです!大好きです!許されないならこの気持ちは、どうすればいいんですか!?」

挑むように好きだと叫ぶ。

泣きたいのか怒りたいのか、小鳥は自分でもよくわからない。

ただ全力で静理に気持ちを伝えたかった。

「君が、俺を……好き?」

目を見開き、静理が小鳥を凝視する。

ムチを握る力が緩み、小鳥のことしか考えられなくなる。

「俺は、君を殺したんだよ……?」

「殺される前から好きです!!」

キッパリ言われ、静理は戸惑うしかなかった。


(殺される、前から……?好き……?俺は小鳥ちゃんから好かれるようなことは、何も……いや、好きってどういう意味なんだ?まさかそんな都合の良い話があるわけ……いやでも……好き……?嘘、だろう……?)

< 146 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop