EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
意識し過ぎて小鳥も照れた。
「嬉しい、です……!ありがとうございます」
「感謝するのは俺の方だよ。ありがとう、俺を好きになってくれて」
囁かれた甘やかな声に、更に小鳥の熱が上がる。
もっと近づきたい。
触れて欲しい。
心の中でこっそりとそう望む小鳥を知る由もない静理は、穏やかに笑ってぎこちなく手を離した。
「やっと、少し落ち着いてきた、かな……。でも今日はなんだか、眠れそうにない。ハァ……年甲斐もなく、こんな……ドキドキして眠れないとか……自分が情けなさ過ぎる……」
離れてしまった手を残念に思うも、小鳥は諦めない。
もっと静理に近づこうと、こんな提案をする。
「なら、このまま私とお喋りして下さい。それで静理さんのこと、もっと色々知りたいです」
「色々って、どんなことを話せばいいのかな?俺から面白い話は聞けないと思うけれど」
「そんなことないです」
面白いかは別として、静理に訊いてみたいことは沢山ある。
中でも小鳥が特に気になるのはもちろん恋愛についてだ。
「その……静理さんは、今まで恋人がいたことはありますか……?」
「ないよ。君が初めてかな」
「え、そうなんですか?」