EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「あの……でも静理さんて、子供の頃から……その……キスに、慣れてたんですね」
「え……?」
静理が目を丸くする。
「……女はこうすれば黙るって、言ってましたし」
小鳥が小さくこぼしたセリフに、静理は動揺した。
「ちょっと待って。なんの話かな……?」
「創世祭で、静理さんが子供になった時の話です。静理さん、そう言って私に……キスしたんですよ」
「え、キスって……まさか、唇にかい……?」
コクリと頷けば、静理の顔色がサーッと青ざめる。
「そんな!俺は、なんてことを……!他には!?無理矢理貞操を奪われたりとか……!」
「だ、大丈夫です。キスだけ……あっ」
「何か思い出した?まさか本当に……っ」
「いえ!あと、血を吸われただけです」
「吸血まで!?クソッ!過去に戻って昔の自分を殺したいっ」
「ダメですよ、未来の静理さんなんですから!」
「けど……悔しいんだよ!認めたくない。君との初めてのキスを過去の俺に奪われていたなんて、納得できない!」