EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
拗ねたように怒る静理は何だか新鮮だ。
普段見られない彼の一面を見たような気がした小鳥は、今なら自分も、ちょっと大胆なことを言えるかもしれないと思った。
ゆっくり深呼吸してから、控えめに、しかしハッキリと言葉にする。
「なら、今……初めてのキス、してくれますか?」
静理が一瞬、驚きながらも嬉しげに頬を緩ませた。
けれどすぐ、気まずげな表情になる。
視線を泳がせながら彼は暴露した。
「その……小鳥ちゃん。一つ秘密を打ち明けるとね、実は俺、君との初めてのキスはもう経験済みなんだ」
今度は小鳥が目を丸くする番だった。
(え、嘘……!いつ!?全然記憶にないけど……もしかして、寝てる時とかに……こっそり、されていた……?)
せっかくのキスに全く気づかず眠っていた自分を脳内でポコポコ叩く。
すると静理が重苦しげに語った。
「死んでしまった君に、口づけた。好きだと気づいて……口づけたんだ」