EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
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欲望のまま小鳥と唇を重ねている間、静理はこのまま彼女をめちゃくちゃにしてしまいたい自分勝手な衝動とは裏腹に、心が今までにない喜びで満たされていくのを感じた。
それは静理にとって、初めてのこと。
(……キスは、肉体的快楽を得るための手段。それ以上でもそれ以下でもないと、思っていたはずが……)
静理は自分のファーストキスの相手が誰だったか覚えていない。
その辺の女か、母親か、客だったかもしれない。
簡単に忘れる程どうでもいい行為で、日常的に使い回す道具のようだった。
(小鳥ちゃんは、違う……)
やっと真の意味で「女性を愛すること」がわかった気がする。
静理は深く求めていた唇をそっと離し、最後に軽く小鳥の小さな唇にチュッと口づけると、腕の中の恋人をギュッと抱き締めた。
「ごめんね、本当に……。過去の俺は、怖かったよね」
確かに色々と危険そうではあった、とキスでくたりとした小鳥はボンヤリ考える。
「静理さんは、その……子供の頃と今と、だいぶ違う印象なんですが……何か、変わるきっかけとかあったんですか?」
「もっとハッキリ言ってくれて構わないよ。暴力的で生意気なクソガキだったのに、どうして今は羊の皮を被っているの?って」
「そんなこと……!」