EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
その翌日、たまたま廊下でカロンと出会った小鳥はニヤニヤと近づいてきた彼に、照れながらペコリと軽く頭を下げた。
気まぐれで自分の興味があることにしか積極性を発揮しないカロンに、昨日は確かに助けられたのだから。
「おー、小動物。昨日はあれからどうだった?」
「あ、はい!お陰様で、静理さんとは、その……」
頬をほんのりピンクに染めるその表情で十分だった。
何が言いたいのか察したカロンはさらりと次の質問に移る。
「そりゃ良かったな。で?静理にはたーっぷり愛された?」
「えっ?」
「処女のまま死んで闇人になったあんたを、静理はちゃんと女にしてくれた?って訊いてんの」
「なっ……!」
何を言い出すのか、と耳まで真っ赤になって首を横に振る。
そんな小鳥の反応にカロンは本気で驚いた。
「え、嘘だろ。あの静理が手を出してないとか、マジ?」
「……き、キスは、しました」
「なにそれ。もっとディープな報告期待してたのに。ヘタレたか、あいつ」
自分の中でしっくりこないせいか、カロンは小鳥の頭を慰めるようにポンポンと触る。
「まあ、いいか。なんか進展したら聞かせて。あー、それとさ。今度の日曜、予定空けといて」
「何かあるんですか?」
「あんたの歓迎パーティー」
「え……?」
小鳥にとって、パーティーは初耳である。
コテンと首を傾げる彼女に、カロンは闇人歓迎パーティーなるものをザックリと説明したのだった。