EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】

「嫌なことはハッキリ言ってくれて構わないよ。白魔の気持ちなんか気にしなくて良いからね」

「えっと……」

静理からも笑顔の圧力を受け、小鳥はどう答えるべきか頭の中でぐるぐると考えた。

「……そこまでにしないか?マドモアゼルのためのパーティーだろう。困らせるべきじゃない」

見兼ねたフェオドールが呆れながら間に入る。


(フェオさん、救世主!)


長男と次男が怖いので声に出しては言えないが、小鳥はフェオドールに感謝した。

「そうだった。ごめんね小鳥ちゃん。席にどうぞ」

静理が一人掛けの椅子に小鳥を導く。

そこに座ってから小鳥は改めて部屋の中を見回した。

まずどこを見ても視界に入るのが、美しい赤と可愛らしいピンクで統一された薔薇。

それらは花瓶に生けてあり、普段居間には置いてない小さな丸テーブルの上に飾られている。

そんな丸テーブルが中央のメインテーブルを取り囲むように幾つか並んでいるのだが、その注目すべきメインテーブルにはブラッディーボトルと七つの空のグラスが置かれていた。

「ちょっと。これ、なんなわけ?座れないんだけど」

不意にオーレリアンが苛立った声を上げる。

小鳥がそちらを見ると、一つのソファーをカロンのぬいぐるみ達が占拠していた。

ウサギ、クマ、サル、カピバラなどなど。

色んな動物が陣取っていて、そこの空間だけ子供っぽい。

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