EGOISTIC狂愛デジャ・ビュ【静理編】
「こいつらも参加したいってさ」
「はぁ?踏み潰されたいの間違いだろ?」
「潰せるもんなら潰してみろよ。こいつらのつぶらな瞳を見たらあんたに勝ち目はないぜ」
何やら喧嘩が始まりそうな予感がしたが、いちいち構っているとパーティーが進まない。
いつもなら割って入るところだが、ルカはスルーを決め込んだ。
「もう、カロン達はほっとこほっとこ。小鳥、今からボトル開けて乾杯するからね」
「ボトル?ブラッディーボトルですか?」
「そうそう。この日のためにAランクの中でも最高のやつ用意したから、絶対美味しいよ!」
ルカに悪気はないのだろうが、笑顔で美味しさを保証されても「楽しみです」と心から言えない小鳥だった。
(だいぶ血を飲むことに抵抗はなくなったけど……でも、やっぱりまだ素直に喜べない……!)
心の中で苦笑しつつ、ブラッディーボトルを開ける静理を見守る。
トクトクと空のグラスに注がれていく濃い赤。
それが七つ全てを満たしたところで、各自にグラスが渡された。
行き渡ったのを見届けてから静理が口を開く。
「それじゃあ乾杯の音頭を、白魔よろしく」
「え?僕でいいの?君じゃなくて?」
「俺は……適役じゃないから」
気まずげな顔をする静理に、白魔はすぐ察した。
「ああ……そうか。ふふ、わかった。なら遠慮なく僕がやらせてもらおうかな」